『工事担当の仕事は』

現場代人は、社長の名代として、全ての権限と責任を持って設計事務所で設計され、確認申請の許可の設計図書を基に、建物を工期内にオーナー様に収める事を大優先に考えて、同時に会社への利益をもたらす為に現場を遂行していきますので、技術者としての使命と経営感覚も必要な重要なポジションとなります。
 最近の賃貸マンションの現場では、利回り優先でコストダウンは必須です。しかも建築費、労務費の値上げにより、会社利益も受注した段階でギリギリになります。

 現場担当者は効率の良い現場運営が求められ、それが会社に利益を残す事になりますので、どうしても現場巡回や管理が甘くなってしまいます。このように現場経費をかけないようにして、請負金額に対する利益のパーセントを上げていっています。そしてそれが会社への貢献になり、ボーナスの査定評価になります。

 さて、1年を超える大規模な工事現場ではルーチンワークとしての現場担当者は、通常は8時より現場に職人を集めて、点呼から始まります。注意事項や、安全指示事項を行い、ラジオ体操も行って労務や安全管理を徹底させます。現場担当者が「右へ」と言えば、職長を筆頭に全職人が100人いれば100人が右を向かせるだけの権限と権利があり、その裏腹に責任も有ります。大手・準大手のゼネコンの現場担当者は責任やプレッシャー・疲労によって心療内科に通う人は少なく無いのです。また、職長を集めて、15:00からは明日の作業内容の確認を行います。

 現場代人は通常、一つの現場に一人が常駐が基本となりますが、賃貸マンションの建設に関しては経費の兼合いもあって、一人で規模の大小にもよりますが、3、4つほど掛け持ちする場合がほとんどですし、朝礼も無ければ、安全指示もしない現場が多々あって、携帯電話で職長に指示していくのが傾向になっております。ですから前作業が終わっていなくても次の職人が入ってきてしまい、出来栄えの悪い仕上がりが有ったりするのは、現場代人の指示や確認不足が起因するものが殆どでなのです。

 20年くらい前ですと、現場担当者は施工図や仮設図面、タイル割などを、事務所で夜遅くまでドラフターで書いておりましたが、今は現場調整だけで手が廻無くなってきましたので、総ての図面は外注で作図してもらい、チェックだけをするのがほとんどです。
現場担当者の労力は著しく減少しましたが、逆に作図や設計図を読み込む力量も同時に低下したとも言われます。

 また、変更などが多々ある場合には、変更図面の指示等がおろそかになってしまい、設計図書のまま現場が進んでいる場合もあり、竣工間際になってオーナーともめる場合が頻繁にあり、結局オーナーが泣き寝入りする場合も多々あります。

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