『アパート建築会社の工事担当の正体』

『アパート建築会社の工事担当の正体』
  (オーナズビジョン ニュースレター 投稿 2月号 )

 賃貸アパートの工事担当者、いわゆる現場代人は、施工会社の社員が現場管理を行っているかと言うと、下請け会社に丸投げ状態、もしくは雇われ代人によって、施工が行われているのが現状です。(すべての現場ではない事をお断りしておきます)

 雇われ代人には名刺と元請会社の社名が入ったヘルメットを渡して、あたかも、社員のような振舞いで、現場を遂行していきます。施工難易度によりますが、1ヵ月40万円から50万円で請け負います。その現場、1カ所だけを集中して管理しているかと思いきや、2、3の現場を掛け持ちしますので、1ヵ月の収入も相当な金額になるにも関わらず、それに見合った管理をしているかというと、そうではなく、やはり管理が甘く、業者や、職人まかせの場合がほとんどです。
 
 雇われ代人は、その現場限りであったり、雇われた会社とも、その現場限りの一元様の場合もありますので、建物が完成した後のクレームや瑕疵まで責任を持ちません。施工会社もそこまで担保をさせません。いうなれば後処理はすべて元請会社が尻ぬぐいをしてくれますので、雇われ代人は無責任な現場管理をしてしまう場合もあります。
 
 大家さんと元請会社の役員クラスや工事部長と仕様変更の打合せをしても、現場で反映させれていない場合があります。この原因は元請会社の幹部と雇われ代人の連絡ミスや指示忘れが有るからです。また雇われ代人は、オフィスを持たないで、車一台と携帯だけで掛け持ちの現場を管理していきます。雇われ代人には、メールやFAXも使えない人もいますので、変更等があっても電話だけでは、変更意図が伝わらない場合もあります。
 
 一方、元請会社の社員で直轄で現場管理を行う場合も同じように、一人の現場代人が、3つも4つの現場を掛け持ちしていきます。そのほかに、クレームや、下請け業者との金額交渉や見積り等があって、現場のチェックが甘くなっていくのは必然であります。
 
 このように現場管理が行き届かない場合や管理の甘い現状は、現場管理技術者不足という事も否めませんが、コストだけ、利回りだけを優先する、大家さんにも原因は有ります。10万円でも、5万円でも、1万円でも安い建物を作って欲しいとの要望を受けての元請会社ですので、元請もやや開き直りで、大家さんの要望金額に合わせて請け負ったので、『この程度の管理しか出来ない。このくらいの出来栄えで満足できないのなら、請負金額を上げてもらうしかない』と主張してくる会社もあります。
 
 現場担当者の力量や管理の甘さによって、完成したアパートは寿命、耐久性、メンテナンス頻度に大きなウェイトが変わって、金額に跳ね帰ってきてしまいます。

 結局は、『安物買の銭失い』ということわざがあるように、最終的にはお金は大家さんが捻出する羽目になります。このような状況で、社会資産としての建築物が、どんどん建てられているのが現状です。

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