2018年は自然災害の年

新年あけましておめでとうございます。

 建築に関わる私にとって、昨年の重大ニュースはやはり、2018年9月6日3時7分に北海道胆振地方中東部を震源として発生した地震。
震度7による建物被害ではないでしょうか。
賃貸経営に携わる皆様も、大きな被害を受けた方もいれば、地震保険による一部損認定で、泡銭をいただいた方もいるのではないでしょうか。

 あらためて感じたのは、鉄骨構造による被害が大きく、ALCのクラックや破断。更にALCの上にタイル貼りをした外壁は、被害が甚大で、
越年工事になった現場も多くみられ、揺れの大きかった札幌東区では顕著です。

今回の地震であまり話題にならなかったのですが、新耐震構造と旧耐震構造について、簡単に説明します。

1968年十勝沖地震の発生し、更に1978年宮城沖地震など相次ぐ大きな地震によって1981年6月1日に建築基準法の改正の新耐震構造です。
旧耐震基準のコンセプトは「震度5程度の地震に耐えうる住宅」というものでした。これは1950年当時の建築技術からするとかなり厳しい基準ではありましたが、
日本では震度5以上の地震はしばしば発生しており、現代の感覚からすると決して十分なものではなく、新耐震基準では「震度5強程度の地震ではほとんど損傷しない」
「震度6から震度7に達する程度の地震でも倒壊・崩壊しない」というレベルで、建物そのものの損傷よりも建物内の人間の安全性を確保することに主眼が置かれています。
たとえ建物が損傷しても倒壊・崩壊を避け、人命が守られるよう義務づけています。

札幌市東区でも震度6弱が観測され、外壁などの損傷は大きかったのですが、建物が崩壊したものは一つもなく、
新耐震構造物の基準とコンセプトの賜物です。

今後も頻繁に起こるであろう地震におけるリスク対策。更に大型台風による倒壊リスク。風を伴う長雨とゲリラ豪雨リスク。
さまざまな自然災害が、ここ数年日本列島で起きており、賃貸経営にとっても避けて通れない災害リスク。
昨年末に京都・清水寺「奥の院」で「今年の漢字」を発表した森清範貫主が揮毫した漢字一字は『災』でした。

皆様にとって新しい年が素晴らしい一年になりますよう心よりお祈り申し上げます。本年もなにとぞよろしくお願いいたします。

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