RC造における大工とは

皆さんが抱く大工さんのイメージは、腰袋を付けて、鉢巻に口に釘をくわえて、ノミ、カンナを使って、高所で、カンカン・トントンと住宅を建てるイメージだと思いますが、鉄筋コンクリート造における大工とは型枠大工を指します。

鉄筋が組み終わったら、型枠大工は墨に従って、ベニヤと桟木で加工された型枠を、釘と金づちだけで建て込んで行きます。
組み終わるとコンクリートを流し込んで、所定の養生期間を置いて型枠を解体して、鉄筋とコンクリートを一つの固体とさせていきます。
そして建物を順次、水平方向や垂直方向に作り上げて完成さていきます。

この様に、型枠を(作る)付ける大工さんの事を型枠大工と言いますので、皆さんが持っている大工さんのイメージとは、かなりかけ離れているかと思います。

請負い金額の基準となるのは、型枠を建て込む面積となりますので、積算も経験豊富な方でないと正確な数量が算出できません。
最近でこそ構造図から数値を入力するとある程度は精度の高い見積書ができますが、ほとんどの企業は手作業で積算をしていきます。
また、外壁が打ち放しの場合や、隣地との間が狭かったり、R壁・バルコニー有無によっても「㎡の単価」が変わってきます。

元請の現場代人は設計図の意匠図と構造図を基本に、内装仕上げも考えた施工図を作成します。
職長は複雑な図面を読み取っていきますので、かなりの熟練を必要とします。
例えば、R壁と直線の壁が交差すような場合も、手計算で求めて算出する大工さんもいます。
最近は元請が作成したCADデーターを更に3次元化させて、型枠の加工図を半自動的に算出させる大工さんもいます。どちらにせよ、高度な能力が必要です。

札幌市の中島公園にある、音楽堂ホールキタラの外壁はR壁の連続ですが、工区毎の型枠大工の職長はノート型パソコンを持って作業、指示をしていたそうです。

更にこの型枠大工さんの他に墨出し大工という職種が存在します。
墨だし大工は、元請が出した基準墨から、小墨を出していく職種で、大工さんの為の墨を出すのではなく、軽量やGLなどの内装工事に関わる墨を出したり外壁にタイル貼りや、サッシを取りつける際の基準墨を出していくのです。

請負いの基準となるのは床面積と難易度から金額を算出していきます。

この型枠大工と墨だし大工は、どちらも、腰を曲げての作業ですので、腰を悪くしている方が多いです。

このように、皆さんがあまり知られていない職種が建設現場の中で作業されているのです。・・・。

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