鉄骨造における注意点

鉄骨造の最悪の場合
(オーナーズビジョン 6月号 投稿文)
今月は先月お話したバブル期に多かった鉄骨造の建物について話します。
バブル期は型枠大工の不足により、本来鉄筋コンクリート造で建てるべき構造を鉄骨造に設計変更をして多くの建物が建てられました。そして賃貸マンションもしかりです。

鉄骨造は大きな空間が必要な場合に採用される構造で、ホールや体育館など柱間を飛ばす場合には鉄筋コンクリート構造では不可能な大空間を鉄骨造は可能にします。(ドーム球場をイメージしてください)
住居系の外壁材は限られており、ALC(Autoclaved Lightweight Concreteの略)が一般的で軽量気泡コンクリートと呼ばれている材料が使われます。珪石、セメント、生石灰を主原料として、パネルの中に鉄筋やメッシュが組み込まれている材料で、パネルを取り付けた後に塗装で仕上げるのが一般的ですが、デザイン性を優先してその上にタイルを貼る場合もあります。

鉄骨造用のALCは厚みが50mmとなり、幅は600mmとなります。その他75、100、125、150mmの厚みがありますが、賃貸マンションの場合は、金額を抑えたいという事で厚みは50㎜を採用するのがほとんどで、更に鉄骨造は柱スパンを飛ばす事ができますので、構造材の使用量は少なくなり、金額を低く抑えることはできます。また構造設計も、設計荷重耐力を可能な限り最低限をクリアすることだけになりますので、揺れる建物になってしまい、外壁材が割れたり、パネル巾600㎜毎のコーキングが切れてしまう場合があります。

大きな施工ミスをしてしまう工務店も有って、パネル巾600㎜毎にタイル目地であるコーキングを設けないで、タイルを貼ってしまっている最悪な建物も実際にあって、タイルが割れ、最悪は落下するという事故も発生しています。

鉄骨造はコンクリート造と比べて、気密性に劣りますので、室内の暖かい空気が室外に漏気されたり、逆に室内の24時間換気によって室内が負圧になってしまい、外気が流入してしまう場合もあります。鉄骨造におけるマンションで最大のネックは結露が発生しやすいと言う点です。室内で暖められた空気が、冷たい鉄骨に触れると、結露が発生してしまう場合があって、屋根裏や、北面の押入れや洋室部分で結露が発生して、ボードやクロスにカビを発生させ、健康被害も出る場合もあります。また、バルコニーの床部分と外壁面の納めも難しく、揺れによってクラックが発生し、防水の亀裂が発生します。更に外部サッシと外装材の納まりやパラペット廻りからも漏水事故も発生しやすいです。

同じ築年数である賃貸マンションでも、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の劣化に大きな差が有ります。

バブル崩壊した1991 年(平成3年)から26年経って、ALC材に塗装やALCにタイル貼りをされている賃貸マンションが劣化し始めておりますので、中古マンションを買う際には十分に注意が必要です。

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